「医療費の還付金があります」は詐欺かも?だまされないためのチェックポイントと相談窓口
公的機関を名乗る不審な電話に注意が必要です
突然、市役所や税務署、年金事務所などの公的機関の職員を名乗る人物から電話がかかってきて、「医療費や税金の還付金がある」「年金の過払い金がある」などと言われたら、注意が必要です。これは「還付金詐欺」と呼ばれる詐欺の典型的な手口の一つです。
このような電話では、「手続きのためにATMを操作する必要がある」「手続きの期限が今日まで」「今すぐ近くのATMに行ってほしい」などと、手続きを急かすように言われることが多いのが特徴です。
なぜ、あなたは狙われるのでしょうか
還付金詐欺は、公的機関からの連絡だと信用しやすい心理や、複雑な手続きに不慣れな点につけこんで行われます。特に、日頃から行政からの通知に真面目に対応されている方や、ご高齢の方などが狙われやすい傾向にあります。
「役所からのお金の話だから間違いないだろう」「早く手続きしないと損をする」といった気持ちから、相手の指示に従ってしまうケースが多く見られます。
「怪しい」と感じるチェックポイント
公的機関を名乗る電話で、以下のようなことを言われたら、詐欺の可能性が非常に高いです。
- 「還付金がある」と言われた:公的機関が電話で一方的に「還付金があります」などと連絡してくることはまずありません。還付に関する連絡は、通常、文書で送られてきます。
- ATMでの手続きを指示された:公的機関が、還付金の手続きでATM(現金自動預け払い機)の操作をお願いすることは絶対にありません。
- 電話で個人情報や振込先を聞かれた:公的機関が、電話で銀行の口座番号や暗証番号、個人情報を聞き出すことはありません。
- 急かされた:「今日の午後3時まで」「すぐにATMへ」「急いでください」などと、考える時間を与えないように急かしてくる場合、詐欺を疑ってください。
- 電話を一旦切って、折り返しの電話番号を確認できない:相手が「折り返しはできません」「携帯電話からかけている」などと言い、公的な代表電話番号を案内しない場合は不審です。
万が一、被害に遭いそうになった・遭ってしまったら
もし、このような不審な電話がかかってきたり、指示されるままにお金を振り込んでしまったりした場合は、落ち着いて、すぐに誰かに相談することが重要です。
- 指示されても絶対にお金を振り込まない:まだお金を渡していない場合は、絶対に相手の指示に従わないでください。
- すぐに電話を切る:相手のペースに乗せられないよう、不審だと感じたらすぐに電話を切ってください。
- すぐに相談する:一人で悩まず、速やかに以下の相談窓口に連絡してください。
どこに相談すれば良いのでしょうか
還付金詐欺のような犯罪被害に関する相談は、まずは警察に連絡することが最も重要です。加えて、消費者トラブル全般の相談先である消費生活センターでも、状況に応じたアドバイスや情報提供を受けることができます。
1. 警察
犯罪の可能性がありますので、すぐに警察に連絡してください。
- 警察相談専用電話「#9110」:全国どこからでも利用できる、犯罪や事故に至らないまでもストーカーや悪質商法、近隣トラブルなど生活の安全に関する悩み事などの相談を受け付けている窓口です。
- 最寄りの警察署:緊急の場合は110番ですが、相談であれば最寄りの警察署に直接連絡することも可能です。
お金を振り込んでしまった場合は、一刻も早く警察に届け出ることが、被害回復の可能性を高める上で重要です。
2. 消費生活センター
消費者トラブル全般について、専門の相談員がアドバイスや情報提供を行います。
- 全国共通の電話番号「188」(いやや!):この番号にかけると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。
- 相談員が、詐欺の手口について詳しく説明してくれたり、今後どう対応すべきかについて具体的なアドバイスをしてくれたりします。
法テラス(日本司法支援センター)も、経済的な理由で弁護士などに相談できない方のために、無料の法律相談や弁護士費用の立替などを行っています。詐欺被害の場合も相談できますが、まずは警察や消費生活センターに連絡することをお勧めします。
相談する前に準備しておくと良いこと
相談窓口に電話する前に、以下の情報を整理しておくと、スムーズに相談できます。
- 不審な電話がかかってきた日時
- 相手が名乗った所属、部署、名前(もし聞き取れていれば)
- 電話の内容(どのような話だったか、何を指示されたかなど、覚えている範囲でメモしておくと良いでしょう)
- 相手の電話番号(表示されていれば)
- お金を振り込んでしまった場合は、振込先の情報や金額
メモを取りながら話を聞いたり、電話の後すぐにメモをしたりしておくと、後で思い出すのに役立ちます。
被害を防ぐためにできること
- 知らない番号からの電話には慎重に対応する:迷惑電話対策機能がついた電話機を利用したり、留守番電話設定にして、相手を確認してからかけ直したりするのも有効です。
- 電話で言われたことを鵜呑みにしない:特に金銭に関する話は、すぐに信用せず、一度電話を切って、自分でその公的機関の公式な電話番号を調べて確認することが非常に重要です。
- 家族や親しい人に相談する:不審な電話について、一人で抱え込まず、家族や友人、地域の人などに話してみてください。誰かに話すことで、冷静になれることもあります。
- 「一人で判断しない」と心得る:お金や個人情報に関する重要な話は、その場ですぐに決めず、「家族に相談します」「後でこちらから連絡します」などと伝えて一度保留にしましょう。
まとめ
公的機関を名乗る「還付金がある」といった電話は、詐欺である可能性が高いです。ATMでの手続きを指示されたり、個人情報を聞かれたり、急かされた場合は、すぐに電話を切って、絶対にお金を振り込まないでください。
もし不審な電話がかかってきたり、不安を感じたりした場合は、一人で悩まず、警察相談専用電話「#9110」や消費生活センターの全国共通番号「188」にすぐに相談してください。早めに相談することで、被害を防いだり、解決に向けた道筋を見つけたりすることができます。