ネットショッピングで買った商品を返品したいのに応じない!対処法と相談先
ネットショッピングで返品・交換できない…そんな時どうすれば良い?
ネットショッピングはとても便利ですが、「届いた商品がイメージと違った」「サイズが合わない」「不良品だった」など、実際に手に取れないことによるトラブルが起きることも少なくありません。
特に困るのが、事業者に返品や交換を求めても、なかなか応じてもらえない場合です。連絡が取れなくなったり、「返品はできない」の一点張りで話が進まなかったりすると、どうしたら良いのか途方に暮れてしまうかもしれません。
この記事では、ネットショッピングで商品に問題があり、返品や交換に応じてくれない場合に、あなたがどのように対応すれば良いのか、そしてどこに相談すれば良いのかを具体的にご説明します。一人で抱え込まず、解決に向けて一歩踏み出すためのヒントとしてお役立てください。
返品や交換に応じてくれない、よくあるケースとは
ネットショッピングで返品や交換ができない場合のトラブルには、いくつかのパターンがあります。
- 事業者に連絡がつかない 電話がつながらない、メールの返信がないなど、事業者と一切連絡が取れなくなってしまうケースです。
- 「返品はできない」と言われる 商品の不具合や事業者の落ち度があるにも関わらず、「一度開封した商品は返品できない」「お客様都合だから応じられない」などと言われ、正当な理由なく返品を拒否されるケースです。
- 返品の条件や手続きが不明確 ウェブサイトに返品に関する記載がない、あるいは分かりにくい場所に小さく書かれているため、後から不利な条件を突きつけられるケースです。
- 返品したのに返金されない 事業者の指示に従って商品を返品したにも関わらず、いつまで経っても商品代金が返金されないケースです。
これらの状況に陥ると、時間も労力もかかり、精神的にも疲れてしまいます。しかし、泣き寝入りする必要はありません。一つずつ冷静に対処していくことが大切です。
まず確認すべき大切なこと
事業者に返品や交換を求める前に、以下の点を必ず確認してください。
- 購入時のウェブサイトの記載内容 特に、返品や交換に関する規約(返品特約)がどのように書かれているかを確認します。ウェブサイトの「特定商取引法に基づく表記」や「利用規約」といったページに記載されていることが多いです。不良品の場合の対応や、お客様都合による返品が可能かどうかが書かれています。
- 注文時の確認メールや注文画面の控え 購入した商品の詳細、金額、注文日時、事業者の連絡先などが記載されています。トラブル発生時の証拠となります。
- 事業者とのやり取りの記録 メールの送受信履歴、電話をした日時、話した内容のメモなど、事業者との間で交わされた全てのやり取りを記録しておきます。スクリーンショットなども有効です。
- 商品の状態 届いた商品が不良品だった場合は、その具体的な状態(どこが壊れているか、色が違うなど)を確認します。可能であれば写真や動画を撮っておくと良いでしょう。
これらの情報は、後で相談機関に相談する際や、事業者に状況を説明する際に非常に重要になります。
事業者へ連絡する際のポイント
記録を残すためにも、事業者への連絡はメールやお問い合わせフォームなど、形に残る方法で行うことをお勧めします。電話で連絡する場合も、いつ、誰と、どのような内容を話したのかを必ずメモに残しておきましょう。
連絡する際は、以下の点を明確に伝えます。
- 注文日時と注文番号
- 購入した商品名
- 商品にどのような問題があるのか(不良品、イメージ違いなど具体的に)
- あなたが希望する対応(返品、交換、返金など)
- 確認した返品規約の内容(もしあれば)
感情的にならず、冷静に事実と要求を伝えることが重要です。
事業者が応じない場合、どこに相談すれば良い?
冷静に連絡しても事業者が正当な理由なく返品や交換に応じない場合や、連絡が取れない場合は、専門の相談窓口に相談することを検討しましょう。
1. 消費生活センター・国民生活センター
消費者トラブルに関する公的な相談窓口です。専門の相談員が、状況を聞いて、解決のためのアドバイスや、事業者との間に入って交渉をあっせん(仲立ち)してくれることがあります。
- どのような相談ができるか: ネットショッピングでの返品・交換トラブル、悪質な定期購入、架空請求、詐欺など、様々な消費者トラブルについて相談できます。
- 連絡先: 全国の消費生活センターにつながる共通の電話番号として「消費者ホットライン 188(いやや!)」があります。最寄りの消費生活センターにつながります。IP電話など、一部の電話からはつながらない場合があります。
- 相談前に準備すること:
- 事業者の名称、住所、電話番号
- 購入した商品名、金額、購入日
- トラブルの詳しい状況(いつ、どのようなやり取りがあったかなど)
- 購入時の契約書、請求書、事業者とのやり取りの記録(メールのプリントアウトなど)
- 問題のある商品の写真(あれば)
これらの情報を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
2. 法テラス(日本司法支援センター)
法テラスは、法的トラブルを解決するための情報提供や、経済的に余裕のない方が弁護士や司法書士に相談するための費用を援助するなどの業務を行っています。
- どのような相談ができるか: 消費生活センターで解決が難しい場合や、法的な手続き(裁判など)が必要になる可能性がある場合に相談を検討します。無料の法律相談制度を利用できる場合もあります(収入などの条件があります)。
- 連絡先: 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 (お近くの法テラスや相談窓口を案内してもらえます)
- 相談前に準備すること:
- トラブルの経緯を時系列でまとめた書類
- 消費生活センターなど、これまでに相談した機関とその結果
- 事業者とのやり取りの記録や契約に関する書類など、手元にある全ての証拠類
弁護士に依頼するとなると費用がかかるイメージがあるかもしれませんが、法テラスの無料相談制度などを活用できる場合もあります。まずは相談してみることをお勧めします。
トラブルに遭わないための予防策
ネットショッピングでの返品・交換トラブルを未然に防ぐためには、購入前に以下の点に注意しましょう。
- 返品特約を必ず確認する: サイトの「特定商取引法に基づく表記」や利用規約の中に、返品や交換に関する条件が記載されています。これをしっかり読んで、自分の希望する条件(例:イメージ違いでも返品可能か、送料はどちらが負担するかなど)に合っているか確認します。記載がない場合は注意が必要です。
- 事業者の情報を確認する: 事業者の名称、住所、電話番号が正確に記載されているか確認します。連絡先が携帯電話番号だけ、住所が私書箱のようになっている場合は注意が必要です。
- 口コミや評判を確認する: 信頼できるレビューサイトなどで、その事業者の評判や過去のトラブル事例がないか調べてみます。
- 安すぎる商品には注意する: 相場とかけ離れて安価な商品は、偽物や粗悪品である可能性も考えられます。
これらの点に注意するだけでも、トラブルに巻き込まれるリスクを減らすことができます。
まとめ
ネットショッピングで商品の返品や交換に応じてもらえないトラブルに巻き込まれたら、まずは冷静に状況を整理し、購入時の情報や事業者とのやり取りの記録を確認することが重要です。
事業者との交渉がうまくいかない場合や、どのように対処すれば良いか分からない場合は、一人で悩まずに消費生活センターや法テラスといった公的な相談窓口に助けを求めましょう。専門家のアドバイスを受けることで、解決の糸口が見つかるはずです。
この情報が、あなたの不安を少しでも和らげ、トラブル解決の一助となれば幸いです。