SNSやネットの「必ず儲かる」話に注意!副業・投資詐欺の相談先
近年、インターネットやSNSを通じて「誰でも簡単に稼げる」「絶対に儲かる」といった甘い言葉で誘い出し、お金をだまし取る詐欺トラブルが増えています。特に副業や投資に関する詐欺は手口が巧妙化しており、被害が後を絶ちません。
もしあなたが、インターネットやSNSで見かけた儲け話に乗ってしまい、お金を払ったものの、約束された利益が得られなかったり、業者と連絡が取れなくなったりして困っているなら、決して一人で悩まないでください。この記事では、こうしたトラブルの典型的な手口と、どうすれば良いのか、どこに相談すれば良いのかを分かりやすくお伝えします。
SNSやネットで見かける「儲け話」トラブルの典型的な手口
インターネット上には、魅力的な「儲け話」があふれていますが、その中には悪質な詐欺が紛れ込んでいることがあります。よくある手口を知っておくことが大切です。
- SNS広告やDMによる勧誘: 「スマホだけで月50万円」「一日数分で不労所得」といった広告をSNSで見かけたり、面識のない人から「良い儲け話があります」とDM(ダイレクトメッセージ)が送られてきたりします。
- 有名人や専門家を装う: テレビに出ている人や経済アナリスト、投資のプロなどを装い、信用させようとします。偽のSNSアカウントを使ったり、過去の実績をでっち上げたりすることもあります。
- LINEグループや限定コミュニティへの招待: 興味を示すと、「もっと詳しい情報を教える」「特別な投資グループに招待する」などと言ってLINEのグループに誘導します。グループ内には、業者の関係者が「儲かっています!」「感謝しています!」といった書き込みをして、盛り上げている場合があります。
- 高額な情報商材やツールの販売: 「この情報を買えば必ず儲かる」「このツールを使えば自動で稼げる」などと言って、数十万円から数百万円する情報商材や投資用ツールを売りつけます。しかし、内容は役に立たなかったり、そもそも存在しないものだったりします。
- 架空の投資話: 実態のない投資話を持ちかけ、お金を振り込ませます。「必ず元本保証」「高配当」などと言って安心させますが、一度振り込んだお金は二度と戻ってきません。最初は少額から始めて儲かっているように見せかけ、信用させてから多額の資金を投入させようとする手口もあります。
- 返金や解約に応じない: 問題に気づいて返金を求めたり、契約を解除しようとしたりしても、「クーリング・オフはできない契約だ」「もう使ってしまったので無理だ」などと断られたり、業者の連絡先が分からなくなったりします。
こうした手口に共通するのは、「簡単に」「必ず」「誰でも」といった言葉で、お金を増やすのが難しいという現実から目をそらさせようとすることです。
もしトラブルに巻き込まれてしまったら、どうすれば良いのか
「騙されたかもしれない」「どうすれば良いか分からない」と感じているかもしれません。不安でいっぱいだとは思いますが、まずは落ち着いて、以下の点を試みてください。
- 慌てて業者に連絡しない・要求に応じない: 業者に直接連絡しても、言いくるめられたり、さらに別の支払いを要求されたりすることがあります。また、すぐに証拠を消されてしまう可能性もあります。
- 証拠を可能な限り残す: 契約書、業者のウェブサイトやSNSの画面、メールやLINEなど業者とのやり取りの記録、お金を振り込んだ際の明細など、トラブルに関するものはすべて写真に撮るか、印刷するなどして残しておきましょう。業者の名前、住所、電話番号なども重要です。
- 一人で抱え込まず、信頼できる場所に相談する: これが最も重要です。自分で解決しようとすると、かえって状況が悪化することがあります。専門の相談機関は、多くの消費者トラブルに対応してきた経験があります。
どこに相談すれば良いのか?具体的な相談先をご紹介します
消費者トラブルについて相談できる公的な機関はいくつかあります。あなたの状況に合わせて、適切な相談先を選びましょう。
1. まずはここに相談!消費生活センター
消費者トラブルに関する相談を、専門の相談員が受け付けてくれる公的な機関です。全国にあり、匿名での相談も可能です。
- どのような相談ができる?
- 契約内容や解約に関するトラブル
- 商品の品質やサービス内容に関するトラブル
- 悪質な販売方法に関するトラブル
- 今回のSNSやネットの副業・投資詐欺のようなトラブル
- クーリング・オフについて知りたい
- どのように相談する?
- 電話相談: 局番なしの「188(いやや!)」に電話をかけると、お近くの消費生活センターにつながります。土日祝日もつながる場合があります(ナビダイヤルの通話料がかかります)。
- 窓口相談: 事前に電話で予約して、直接相談することもできます。
- 相談する前に準備しておくと良いこと:
- トラブルの相手方の情報(会社名、担当者名、住所、電話番号、ウェブサイトなど)
- トラブルの経緯(いつ、どこで、どのような勧誘を受けたか、どのような契約を結んだか、いくら支払ったかなど)を時系列でメモしたもの
- 関連する書類(契約書、請求書、パンフレット、メールやSNSのやり取りの画面コピー、振込明細など)
消費生活センターの相談員は、あなたの話を丁寧に聞き、解決のためのアドバイスや、必要に応じて事業者との間に入ってあっせん(話し合いを仲介すること)をしてくれます。
2. 詐欺被害に遭った可能性が高い場合は警察にも
明らかな詐欺被害に遭ったと思われる場合は、警察への相談も考えられます。
- どのような場合に相談する?
- 騙されてお金を振り込んでしまった
- 個人情報が悪用される可能性がある
- 犯人を捕まえてほしい
- どのように相談する?
- お住まいの地域を管轄する警察署の生活安全課などに相談してください。
- 緊急の場合は110番ですが、相談の場合は警察署への電話が適切です。
- 相談する前に準備しておくと良いこと:
- 消費生活センターと同様のトラブルに関する証拠や記録
- 被害届を出す場合は、警察官の指示に従ってください。
警察は事件として捜査を行いますが、あくまで犯罪捜査が目的であり、支払ったお金を取り戻すための直接的なサポートは期待できない場合があります。まずは消費生活センターに相談し、必要に応じて警察につなげてもらうのがスムーズな場合が多いです。
3. 法律的な解決を考えたい場合は法テラス
弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談したい場合に利用できる公的な機関です。
- どのような相談ができる?
- 業者に内容証明郵便を送りたい
- 返金を求めて裁判などを検討したい
- 弁護士に依頼することを考えたい
- どのように相談する?
- 電話またはウェブサイトで相談: 「0570-078374(おなやみなし)」に電話するか、法テラスのウェブサイトで情報を確認してください。
- 収入や資産が一定額以下であるなどの条件を満たせば、無料の法律相談を受けられる制度もあります。
- 相談する前に準備しておくと良いこと:
- トラブルの経緯と状況をまとめたもの
- 関連する全ての証拠や記録
- ご自身の収入や資産に関する情報(無料相談を利用する場合)
法テラスは、弁護士などの専門家による相談を案内したり、弁護士費用などの立て替え制度を提供したりします。
相談する際の不安を和らげるために
「電話をかけるのが怖い」「うまく説明できるか心配」と感じるかもしれません。でも大丈夫です。相談機関の専門員は、あなたの話を丁寧に聞き、状況を整理する手助けをしてくれます。
- まずは電話をかけてみる勇気を持つ: 局番なしの188に電話をかけることから始めてみましょう。「消費者ホットラインに相談したい」と伝えれば、適切な部署につながります。
- メモを見ながら話す: 相談前に経緯や状況を簡単にメモしておくと、落ち着いて話せます。
- 分からないことは遠慮なく質問する: 専門用語が出てきても、理解できない場合は「どういう意味ですか?」と尋ねて大丈夫です。
今後のトラブルを防ぐために
一度トラブルに遭うともう懲り懲りだと思いますが、悪質な業者は次々と新しい手口を考えてきます。今後のために、以下の点に注意してください。
- 「簡単に」「必ず儲かる」という話はまず疑う: お金儲けに絶対や簡単な道はありません。うますぎる話には必ず裏があると考えてください。
- 知らない人からの誘いには乗らない: SNSやメールで突然届いた儲け話や、身元がはっきりしない人からの誘いには注意が必要です。
- 安易に個人情報やクレジットカード情報を教えない: 登録する前に、本当に信頼できる相手か確認しましょう。
- 契約内容をよく確認する: 「後で読めばいいや」ではなく、契約書や規約は隅々まで目を通しましょう。特に返金や解約に関する項目は重要です。
- 信頼できる情報源を確認する: 情報を得る際は、公的機関(国民生活センター、金融庁など)や大手メディアなど、信頼できる情報源か確認しましょう。インターネット上の個人のブログや匿名掲示板の情報だけを鵜呑みにしないことが大切です。
- 家族や友人に相談する: 迷ったり不安に思ったりしたら、すぐに信頼できる家族や友人に相談する習慣をつけましょう。一人で判断しないことが、悪質な手口に引っかからないための大切なポイントです。
まとめ
SNSやインターネットを介した副業・投資詐欺は、誰もが巻き込まれる可能性のある身近なトラブルです。「騙されたなんて恥ずかしい」と思う必要はまったくありません。悪質な業者の手口が巧妙なだけです。
もしトラブルに遭ってしまったら、まずは落ち着いて状況を整理し、今回の記事でご紹介した消費生活センターなどの公的な相談窓口にすぐに連絡してください。一歩踏み出す勇気が、トラブル解決への第一歩となります。