【通販トラブル】届かない・写真と違う!困った時の具体的な相談先と解決のヒント
インターネットでの通信販売(ネットショッピング)は、自宅にいながら様々な商品を選べる便利な購入方法として、多くの方が利用されているかと思います。一方で、「注文した商品がいつまで経っても届かない」「届いたけれど、サイトの写真や説明とは全く違うものが届いた」といったトラブルに巻き込まれてしまうケースも少なくありません。
もし、このような状況に直面してしまったら、どうすれば良いのでしょうか。今回は、ネットショッピングのトラブルについて、まずはご自身でできることから、どこに相談できるのか、そしてトラブルを未然に防ぐためのヒントまで、分かりやすく解説します。
ネットショッピングでよくあるトラブルの事例
ネットショッピングでのトラブルには様々な種類がありますが、特に多いのが以下の二つです。
1. 注文した商品が届かない
お金を支払ったにもかかわらず、商品が発送された形跡がない、または発送通知は来たもののいつまで経っても商品が到着しないケースです。単なる配送遅延の場合もありますが、悪質な業者の場合は、お金だけだまし取って商品を発送しない「詐欺サイト」である可能性もゼロではありません。
2. 届いた商品が写真や説明と違う
楽しみにしていた商品が届いたものの、サイト上の写真や説明とは色や形、サイズが大きく異なっていたり、明らかに粗悪な偽物だったりするケースです。これは「商品の不適合」や「虚偽表示」にあたる可能性があり、契約通りの商品が提供されていない状態です。
まずはご自身でできること
トラブルに気づいたら、慌てずに以下のことを確認し、行動してみましょう。
1. 注文内容や利用規約を確認する
まずは、注文時に受け取った注文確認メールや、サイトのマイページなどで、以下の情報を確認してください。
- 注文日時
- 注文した商品名、数量、金額
- 支払い方法(クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込など)
- お届け先住所
- サイトに記載されていた配送予定日や発送状況
特に、サイトの「特定商取引法に基づく表示」のページで、販売業者の名称、住所、電話番号、メールアドレスなどが正確に記載されているか、返品や交換に関するルールはどうなっているかを確認しましょう。
2. 販売業者に連絡を取る
確認した内容に基づき、販売業者に連絡を取ります。連絡手段としては、サイトの「お問い合わせフォーム」、メール、電話などが考えられます。
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お問い合わせフォームやメールでの連絡:
- 注文番号、氏名、電話番号を必ず記載します。
- 「商品が〇月〇日になっても届かない」「届いた商品が注文した〇〇と違う(届いた商品の写真を添付できると良いでしょう)」など、状況を具体的に伝えます。
- 注文内容の確認、商品の発送予定日、または返品・交換についてどのように対応してもらえるのかを尋ねます。
- 送信したメールは、後で確認できるよう必ず保存しておきましょう。
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電話での連絡:
- 電話がつながったら、まず注文番号と氏名を伝えます。
- メールと同様に、具体的な状況と希望する対応(商品の再発送、返品・返金など)を伝えます。
- 応対した担当者の名前や、会話の内容(いつまでに回答をもらえるか、どのような対応をするかなど)をメモしておくと良いでしょう。
業者によっては、電話がつながりにくかったり、メールの返信が遅かったりすることもあります。すぐに返事がなくても、数日は様子を見てみましょう。
販売業者と連絡が取れない、または対応に納得できない場合
ご自身で販売業者に連絡を試みたものの、全く連絡が取れない場合や、「対応できない」「ルールだから」などと言われ、納得のいく解決ができないこともあります。このような場合は、一人で抱え込まず、専門の相談機関に助けを求めることを検討しましょう。
どこに相談できる?主な相談窓口
消費者トラブルに関する相談先はいくつかあります。状況に応じて適切な窓口を選びましょう。
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消費生活センター/国民生活センター:
- 役割: 消費者と事業者との間のトラブルについて、公正な立場で相談に乗ったり、解決のためのアドバイスやあっせん(話し合いを仲介すること)を行ったりしてくれる公的な機関です。悪質な事業者に関する情報収集も行っています。
- 相談できる内容: ネットショッピングだけでなく、定期購入、訪問販売、点検商法など、様々な消費者トラブルについて相談できます。
- 連絡方法: 全国の消費生活センターにつながる共通の電話番号「消費者ホットライン188(いやや!)」にかけると、最寄りの消費生活センターを案内してくれます。地域の消費生活センターの電話番号を調べて直接かけることもできます。
- 受付時間: 平日の日中に受け付けていることが多いですが、土日祝日も対応しているセンターもあります。お住まいの地域のセンターの受付時間を確認してください。
- 相談前に準備しておくと良いこと:
- トラブルの相手である販売業者の名称、住所、電話番号、ウェブサイトのURL
- 注文した日時、商品の詳細、金額
- 支払い方法や支払い状況が分かるもの(クレジットカードの明細、振込控えなど)
- 販売業者とのやり取りの記録(メールのコピー、問い合わせフォームの画面コピー、電話のメモなど)
- 届いた商品が違う場合は、その商品や梱包材の写真など
- 契約書面などがある場合は、その書類
消費生活センターは、多くの消費者トラブルで最初に相談すべき窓口と言えます。まずは電話で状況を説明してみましょう。
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警察:
- 役割: 犯罪捜査や治安維持を行う機関です。
- 相談できる内容: 明らかに詐欺と思われるケース、例えば「お金を振り込んだのに、最初から商品を発送するつもりがなかった」といった悪質なケースで、被害届の提出などを検討する場合に相談できます。ただし、単なる業者との契約上のトラブル(商品が違うなど)は、原則として民事の問題となり、すぐに警察が介入することは難しい場合が多いです。
- 連絡方法: 最寄りの警察署の生活安全課などに相談するか、事件性が疑われる場合は警察相談専用電話「#9110」に電話することもできます。
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法テラス(日本司法支援センター):
- 役割: 法的なトラブル解決のために、情報提供や専門家(弁護士、司法書士など)を紹介してくれる公的な機関です。収入が一定額以下などの条件を満たせば、弁護士費用などの立て替え制度を利用できる場合もあります。
- 相談できる内容: 消費者トラブルを含め、様々な法的な問題について相談できます。販売業者との交渉がうまくいかない場合や、法的な手段(訴訟など)を検討する必要が出てきた場合に、弁護士に相談したいと考えたら利用できます。
- 連絡方法: 全国の法テラスにつながる電話番号「0570-078374(おないやさん)」または、お住まいの地域の法テラスに直接連絡します。
- 相談前に準備しておくと良いこと:
- トラブルの経緯をまとめたメモ
- 業者との契約書、注文確認メール、やり取りの記録
- 法テラスのサービスを利用するための条件(収入など)に関する情報
消費生活センターで解決が難しい場合や、法的な手続きが必要になりそうな場合に、法テラスを通じて弁護士などの専門家に相談することを検討できます。
トラブルを未然に防ぐためのヒント
ネットショッピングのトラブルに巻き込まれないためには、日頃からいくつかの点に注意することが大切です。
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信頼できるサイトか確認する:
- 初めて利用するサイトの場合は、運営会社の情報(会社名、住所、電話番号)が正確に記載されているか確認しましょう。「特定商取引法に基づく表示」のページがない、または情報が不足しているサイトは注意が必要です。
- 連絡先が携帯電話番号だけ、フリーメールだけ、という業者も信頼性が低い可能性があります。
- SSL化されているかを確認しましょう。URLが「https://」から始まっており、鍵マークが表示されているサイトは、通信が暗号化されており比較的安全と言えます。
- 極端に価格が安い、日本語の表現がおかしい、支払方法が銀行振込のみで個人名義の口座を指定される、といったサイトは詐欺サイトの可能性が高いので利用を避けましょう。
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利用者のレビューや評価を確認する:
- そのショップや商品に関する他の利用者のレビューや評価を確認することも参考になります。ただし、やらせのレビューもあるので、過信は禁物です。
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支払い方法を慎重に選ぶ:
- クレジットカード払いは、万が一トラブルがあった場合にカード会社に相談できる場合があります。後払いや代金引換も、商品を受け取る前に支払いが発生しないため、比較的リスクが低いと言えます。
- 代金先払いの銀行振込(特に個人名義の口座への振込)は、商品が届かない場合に返金してもらうことが非常に困難になるため、信頼性が確認できない業者相手には避けるのが賢明です。
困ったら一人で悩まず相談しましょう
ネットショッピングでのトラブルは、誰にでも起こる可能性があります。もしトラブルに巻き込まれてしまっても、「自分が騙された」と恥ずかしく思ったり、一人で抱え込んだりする必要はありません。
今回ご紹介した消費生活センターなどの相談窓口は、こうした消費者トラブルの専門家です。あなたの状況に合わせて、どのように対処すれば良いか、親身になってアドバイスしてくれます。まずは電話一本、気軽に相談してみることから始めてみてください。きっと解決への糸口が見つかるはずです。