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屋根や床下の無料点検にご用心!点検商法によるトラブルの典型的な事例と相談先

Tags: 点検商法, 訪問販売, 悪質商法, 消費者トラブル, 消費生活センター, クーリングオフ, 法テラス

「無料で点検します」と言われても安易に応じないでください

突然自宅に訪問してきたり、電話をかけてきたりして、「お宅の近くで工事をしているので」「無料で屋根や床下を点検します」などと持ちかける業者にご注意ください。これは「点検商法」と呼ばれる悪質商法の手口である可能性があります。

無料点検を装って家に上がり込み、実際には必要のない工事やリフォームを高額な値段で契約させるケースが多く発生しています。もし心当たりがある、あるいは不安を感じているという方は、一人で悩まず、まずはこの記事を読んで具体的な対処法や相談先を確認してください。

点検商法とは?典型的な手口の流れ

点検商法は、主に住宅のリフォームや修繕に関わるトラブルでよく見られます。その典型的な流れは以下のようになっています。

  1. 接触:
    • 突然業者が訪問してくるか、電話がかかってくる。
    • 「近所で工事をしているついでに」「キャンペーンで無料点検を行っている」「お宅の屋根が瓦一枚浮いているのが見えた」などと言って、無料での点検を勧める。
  2. 不安を煽る点検:
    • 消費者が点検に応じると、屋根裏や床下など、消費者が自分で確認しにくい場所を点検する。
    • 点検後に、「このままでは大変なことになる」「家が傾く」「シロアリがたくさんいる」などと、大げさな説明や嘘をついて消費者の不安を煽る。
    • 中には、点検時にわざと部材を壊したり、あらかじめ用意しておいたシロアリや腐った木材を見せたりする悪質なケースもあります。
  3. 高額な契約を迫る:
    • 不安を感じている消費者に付け込み、「すぐに工事が必要だ」「今日契約すれば割引になる」などと迫り、高額なリフォーム工事や修繕の契約を結ばせようとする。
    • 冷静に考える時間を与えず、その場で契約を急がせることもあります。

このような手口は、消費者の「家を守りたい」という気持ちや、専門的な知識がないことにつけ込むものです。

なぜ点検商法に騙されてしまうのでしょうか

点検商法によるトラブルに巻き込まれてしまう背景には、いくつかの要因があります。

特に、高齢者の方や一人暮らしの方は狙われやすい傾向にあります。

もし点検商法で契約してしまったら?

もし、無料点検をきっかけに契約してしまい、後になって後悔したり、不安になったりした場合は、決して一人で抱え込まずに行動することが大切です。

まず確認したいのは、特定商取引法によって定められている「クーリング・オフ」制度が使えるかどうかです。訪問販売や電話勧誘販売による契約の場合、原則として契約書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、無条件で契約を解除(解約)できます。

ただし、クーリング・オフには期間や手続き方法に決まりがあります。また、工事がすでに始まってしまった場合など、状況によってはクーリング・オフが難しいケースや、別の対応が必要になる場合もあります。

具体的にどうすれば良いのか?

もし点検商法によるトラブルかもしれないと思ったら、以下のステップで対応を考えてみてください。

  1. まずは落ち着いて状況を整理する:
    • どのような経緯で業者と接触したか?(訪問、電話など)
    • いつ、どのような契約を結んだか?(契約書の内容、契約日)
    • 点検で何を言われたか?(不安を煽られた内容)
    • 支払いは済んだか?工事は始まったか?
  2. 契約書などの証拠を保管する:
    • 業者から渡された契約書面、パンフレット、見積書などはすべて大切に保管してください。
    • 業者とのやり取りの記録(電話や面談の日時、内容)も、可能な範囲でメモしておくと良いでしょう。点検時の写真などがあれば、それも有効な証拠になります。
  3. 一人で悩まず、信頼できる相談窓口に連絡する:
    • 最も重要なステップです。ご自身で解決しようと業者と直接交渉すると、かえって状況が悪化したり、新たなトラブルに巻き込まれたりする危険性があります。
    • 公的な相談窓口であれば、無料で相談でき、あなたの状況に合わせた適切なアドバイスや、解決のためのサポートを受けることができます。

どこに相談すれば安心できるのか?

点検商法によるトラブルについて相談できる、信頼できる公的な窓口をご紹介します。

1. 消費生活センター・国民生活センター

2. 法テラス(日本司法支援センター)

これらの公的な窓口は、あなたの味方となってくれる場所です。「こんなこと相談しても良いのだろうか」「専門家は怖い」などと思わずに、安心して相談してみてください。

トラブルを未然に防ぐための対策

点検商法の被害に遭わないためには、日頃から以下の点に注意しておくことが大切です。

まとめ:一人で悩まず、まずは相談してください

「無料点検」をきっかけとする点検商法は、消費者の不安につけ込む悪質な手口です。もし、ご自身やご家族がこのようなトラブルに巻き込まれてしまったかもしれないと感じたら、決して一人で悩まず、すぐに公的な相談窓口に連絡してください。

消費生活センターや法テラスは、あなたの状況を聞き、解決のための具体的なアドバイスやサポートをしてくれます。早めに相談することで、被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。あなたの抱える不安を解消し、安心して過ごせるように、信頼できる機関を頼ってください。