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友人からの「稼げる」誘い、これって大丈夫?マルチ商法?トラブルの見分け方と相談先

Tags: マルチ商法, ネットワークビジネス, 友人からの誘い, 消費者トラブル, 相談先

友人・知人からの誘い、困っていませんか?

親しい友人や知人から、「すごく稼げる話があるんだけど」「体にいい商品があって、周りに広めると収入になる」などと誘われて、戸惑っているということはありませんか。断りにくい関係性の相手からの誘いは、どう対応すればいいか迷ってしまうものです。

もしかすると、それは「マルチ商法」や「ネットワークビジネス」と呼ばれるものかもしれません。そして、安易に始めてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。

ここでは、マルチ商法とはどのようなものか、よくある手口やトラブル事例、そして「これって怪しいな」「困ったな」と感じたときに、どこに相談すれば良いのかを具体的にご説明します。

マルチ商法(ネットワークビジネス)とは

「マルチ商法」や「ネットワークビジネス」は、法律では「連鎖販売取引(れんさはんばいとりひき)」と呼ばれています。これは、商品やサービスを契約して、今度は自分が買い手(会員)を勧誘し、その買い手がさらに別の買い手を勧誘するという形で組織を広げていくビジネス形態です。会員は、自分が売った商品の販売手数料や、自分が勧誘して組織に加入した人(子会員)の売上の一部などが収入になる、と説明されることが多いです。

特定商取引法という法律で厳しく規制されていますが、悪質な業者や勧誘者によるトラブルが後を絶ちません。

「ねずみ講」との違い

マルチ商法と似ているものに「ねずみ講」がありますが、これは全くの別物で、法律で禁止されています。ねずみ講は、商品のやり取りがなく、金銭の配当だけを目的に会員を増やすものです。マルチ商法は形式的には商品の販売を伴いますが、実態として商品がほとんど流通せず、会員獲得の割合に応じて金銭を受け取るようなケースは、ねずみ講とみなされる可能性もあります。

マルチ商法によくある誘いの手口

親しい間柄だからこそ、断りにくい状況が作られることが多いです。

特に、契約するまで目的や内容をはっきり告げない「目的隠匿勧誘」は、特定商取引法で禁止されています。

どんなトラブルが多いか

「これって怪しい?」と感じたらチェックすること

※クーリング・オフとは、特定商取引法などで定められた、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。マルチ商法の場合、契約書面を受け取った日または商品を最初に受け取った日のいずれか遅い方から20日以内であればクーリング・オフが可能です。ただし、自分から店舗に出向いて契約した場合や、インターネット等で申し込んだ場合は、クーリング・オフの適用外となることがあります。また、一度使用または消費した商品(消耗品に指定されているもの)はクーリング・オフできません。

困った時の具体的な相談先

「やっぱりおかしい」「やめたいけどどうすればいいか分からない」と感じたら、一人で悩まず、すぐに専門の機関に相談しましょう。

1. 消費生活センター・国民生活センター

消費者トラブルに関する専門知識を持った相談員が対応してくれます。商品や契約の解約・返金に関する問題など、幅広い相談に乗ってくれます。必要に応じて、事業者との間のあっせん(話し合いを仲立ちすること)をしてくれる場合もあります。

これらのものがあると、相談がスムーズに進みます。

2. 法テラス(日本司法支援センター)

法テラスは、法的なトラブル解決のための情報提供や、経済的に余裕のない方が弁護士・司法書士に相談するための費用を立て替える制度(民事法律扶助制度)などを提供しています。消費者トラブルも法的な問題を含むため、相談先の一つとなります。

3. 弁護士会・司法書士会

より専門的な法的アドバイスが必要な場合や、具体的な法的手続き(内容証明郵便の作成、訴訟など)を検討する場合は、弁護士や司法書士に直接相談することも可能です。各地域の弁護士会や司法書士会では、無料または低額の法律相談を実施している場合があります。

相談する前に準備しておくと良いこと

相談をスムーズに進めるために、以下のことを準備しておきましょう。

これらの情報があると、相談員の方が状況を正確に把握し、的確なアドバイスをしやすくなります。

未然防止のために

まとめ

友人や知人からのマルチ商法の誘いは、人間関係が絡むため、断りにくく、トラブルになった時も一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、泣き寝入りする必要はありません。

怪しいと感じたら、まずは契約内容やリスクを冷静に見極めること、そして「困ったな」と思ったら、今回ご紹介した消費生活センターや法テラスなどの専門機関に、勇気を出して相談することが解決への第一歩です。一人で悩まず、ぜひ専門家の力を借りてください。